「もの忘れ」と「認知症」の
違いをくわしく解説します。
認知症は、脳の認知機能がいちじるしく低下した状態です。
認知機能というのは、記憶、言語、理解、判断、論理、計算、遂行、注意など、「自分や周囲を正確に認識し、きちんと実行するための知的機能」といえます。
その他、認知機能の低下にともない不安感やイライラ感が強くなり、抑うつ症状や睡眠障害、幻想・妄想、行動異常が現れることがあります。
それは「記銘力の低下」「エピソード記憶の喪失」「記憶の逆行性喪失」です。
記銘力(新しいことをおぼえる力)が低下するので、昔の記憶は保たれていても、とくに近時記憶(長期記憶のなかで数分から数時間ほど保たれる記憶)が失われてしまいます。
体験した内容ではなく、体験したこと自体を忘れてしまいます。たとえば、「食事のメニューを忘れるのではなく、食事をとったこと自体をすっかり忘れてしまう」といったケースです。
新しい記憶から、タイムスリップするように過去へ向かって忘れていく傾向がみられます。